レース・トゥ・イレブン 〜 毎週火曜日連載・ビリヤードの長編連載小説です 〜
第55話 後輩?
2012.03.13.Tue 07:00
JUGEMテーマ:連載
飽きっぽくて2時間もしたら止めるだろうと思っていた少年たちも、気がつけば3時間も休まずに撞いていた。ゲームとしては初心者レベルの腕前かも知れないが、この熱心さは初心者のレベルを超えているかも知れない。 「はあ〜、のど渇いた。そろそろ終わろうぜ」リーダー格がそう言うと、皆が納得した。 「学生証見せなアカンの?」一人がそう言い、佐倉がうなずくと、とたんに皆の表情が曇った。
一夜明け、また佐倉が店に出勤した時、珍しく店の表にマスターの姿を見た。まだ冬で寒いのに、である。 「うわ、なんやこれ」そう言ったのは、昨日店に来ていた少年の一人で、最後にキューを握ったプライドの高そうだった少年である。 妙なもので、人間関係がひとたび身近なものとわかると、少年もビリヤードについてあれこれと質問を浴びせかける。
| 第三章 カモナ・マイホーム | -
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