レース・トゥ・イレブン 〜 毎週火曜日連載・ビリヤードの長編連載小説です 〜
第45話 ゲームボール
2011.10.11.Tue 07:00
JUGEMテーマ:連載 「どうする?」龍は佐倉に問いかけた。佐倉はじっとテーブルを見つめている。 「攻めるか、あるいは守るか・・・」 龍はわざとどちらのプランの狙い目についても詳しく告げず、このラックを佐倉に預けた格好だ。ここで佐倉が迷っていたり黙っていたら、龍は自分が提案する答えをすでに持っていた。 ところが彼女はすぐに答えたのである。それは「守り」だった。なんとなく、直感が彼女にそう言っているのである。 龍はこくりと頷くと、そのプランの詳細を彼女に説明した。 厚み、撞き点、力加減、そして手球の残り方、的球のルート。短クッションから少しだけ浮いた8番に向かって厚みを確認すると、佐倉はキューをやや立て気味にして少し下の撞き点に向かってストロークする。 「おお」何人かのギャラリーが小声でそう言った。的球がポケットに近づくと、ギャラリーの声はさらに大きく盛り上がり、数人がもう入ったものとしてパラパラと拍手をしたのである。 | 第二章 はじめての試合 | -
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-わからない用語は↓で調べてくださいネ☆-
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