レース・トゥ・イレブン 〜 毎週火曜日連載・ビリヤードの長編連載小説です 〜
第41話 お嬢からの洗礼
2011.09.13.Tue 07:00
JUGEMテーマ:連載 「カルビ、特上カルビ」 「タン塩、上タン塩!」 そんなふざけているような、浮かれているような感じでショットを繰り返すと、さすがに二人とも気恥ずかしくなり、元のように真面目に撞くようになり、次第に真剣な眼差しへと戻っていくのだった。 佐倉は自分のショットのときに、ギャラリーの方向から強い視線が向けられるのを感じてそちらを振り返った。しかしそこにはそれらしき人影は見あたらず、またテーブルの方へ集中を向けるのだった。 龍と佐倉のペアがリードしていた。しかし、龍のブレイクショットは手球がスクラッチする事態となり、お嬢たちはフリーボールを手にしてターンが回ってくる。 相手側の次の順番はプロではなくて佐倉である。 佐倉はどうしたら的球に当てることができるかを必死になって考えた。記憶の中にある、他のプレイヤーが撞いた空クッションやジャンプショットなど。しかし、自分なりに考えて構えてはみても、当たるようなイメージなど記憶のどこを探っても見あたらなかった。 そして、「どうしたらいいかわかりません」と困り果てた佐倉が龍に救いを求めると、龍はあっさりと言い放った。
「決勝の相手は相当手強そうだな。お互いがそれぞれレベルが高いし、ポジションの取り方といい、息が合ってる」 | 第二章 はじめての試合 | -
|
CALENDAR
NEW ENTRY
PROFILE
CATEGORY
COMMENT
ARCHIVES
LINK
OTHER
-わからない用語は↓で調べてくださいネ☆-
-ブログランキングにご協力ください d(・・〃)- にほんブログ村 -- twitter -- Twitterブログパーツ -- あらすじ -- この物語は、主人公−佐倉がビリヤードを通じて様々な人と出会い、成長する様を描いていきます。 大学に通う一年生の佐倉は、同じ京都で間借りしている部屋の大家を通じ、ビリヤード場で働くことになります。人と接することが苦手で、自分の殻にこもっている彼女の心を、店の常連客らが徐々に開いていきます。 アットホームな雰囲気、厳しい先輩プレイヤーやプロの存在によって彼女の心境が変化していき、本格的なプレイヤーに成長していきます。やがてビリヤードがなくてはならない存在になり・・・。 序章で見せた佐倉の涙の意味するものはいったい・・・? これから始まるビリヤードのドラマに、しばしのお時間お付き合いください。 -グーバーウォーク- |